なぜ訪問看護なのか


近年の高齢化社会により、病気を持ちながらも自宅で生活している方が増えています。昔は病気をしたら何ヶ月も病院で生活していたのですが、今は病気の治療が終わった時点で退院しなければならなくなっています。

治療を行った後は体力・気力ともに衰えてしまい、入院がきっかけで要介護状態になってしまうことも少なくありません。またカテーテルや酸素投与などの医療管理が必要になってしまうこともあります。その時に経験豊富な看護師が心身の状態の観察や医療管理を24時間365日で支える体制があれば安心して自宅での療養が行えると考えています。

身体と精神(体と心)は切っても切り離せない

私たち看護師は医師同様それぞれの得意とした分野を持っています。

精神科訪問看護
認知症や精神疾患の分野では、主治医から処方されたお薬の効果をみながら定期的に主治医に報告を行っています。これにより先生が患者さんの精神状態や認知症の状況をタイムリーに把握でき、お薬があっていない場合にすぐに主治医に連絡できる体制を構築しています。したがって、内服調整もスムーズに実施できるわけです。

当事業所には高度な研修を受けた精神科を得意とする看護師及び保健師が配置されています。また、必要に応じて行政の担当者様とも密に連絡を取り合っています。

全身状態を把握するための訪問看護
高齢者は体調変化がつきものです。よく起こる症状としては嘔吐や便秘、下痢などの消化器症状、食欲低下、発熱などがありますが、体調の変化が現れた場合にはすぐに主治医に報告し、指示を仰ぐ体制を整備しています。必要に応じて医師の指示の下、自宅での点滴も可能です。

お年寄りにはこれらの心身のバランスを崩しやすく、日々の体調変化にも波がありますので、どのような時に体調を崩しやすいか、精神状態が不安定になるかということまで診ていかなければ根本的な解決に結びつかないと考えています。個々の体調変化をきっちり管理するために、介護士さんや家族様と協力しながら体調管理のための情報収集を行っています。

私たちは心身の状態を安定した状態に保つことを目標に看護を行っていきます。

終末期医療に対する考え方

高齢社会が進み、病気の種類や重症度、状態によってはこれ以上積極的な治療を望まないという考えを持たれている患者さん、ご家族の方もいらっしゃると思います。その時に皆さんが望まれることは、苦痛を少しでも減らしてほしいということだと思います。このような宣告を受けた時には主治医の先生や本人様、ご家族の皆様としっかり話し合いをして最期まで可能な限り苦痛を緩和するように、また本人様が望む生活を送れるような体制に心がけています。入院中の病院との話し合いにも積極的に参加させていただきます。一番難しい課題ですが、私たちはすこしでも大切な時間に寄り添える看護師を本気で目指しています。